2008 Fiscal Year Annual Research Report
加圧熱水処理によるリグノセルロースからのバイオエタノール生産
Project/Area Number |
07J06528
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
仲田 利樹 Kyoto University, エネルギー科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 加圧熱水処理 / リグノセルロース / バイオエタノール |
Research Abstract |
本研究では、加圧熱水処理によるリグノセルロースからのバイオエタノール生産プロセスの構築を目的に検討を行った。初年度の検討においては、加圧熱水処理後に回収されるヘミセルロース由来の糖からのエタノール生産の効率化の可能性が示された。本年度は、初年度の検討による知見を踏まえた実施計画として、加圧熱水処理の条件の検討、酵素処理やエタノール発酵における阻害の軽減、プロセス全体の効率化を研究課題とし、これらについて研究を進めることとした。本年度の検討内容および得られた知見は以下の通りである。 ・ブナ木粉の加圧熱水処理(240℃、45,90秒)後に得られたヘミセルロース由来のキシロオリゴ糖からのエタノール生産において、β-キシロシダーゼによる酵素糖化、キシロースイソメラーゼによるキシロースのキシルロースへの異性化、エタノール発酵の一連の処理によるエタノール生産プロセスを検討した。その結果、酵素糖化と異性化の統合、異性化とエタノール発酵の統合により、エタノール収率が大きく向上することが明らかになった。 ・上記のヘミセルロース由来のキシロオリゴ糖からのエタノール生産に加え、セルラーゼおよびエタノール発酵によるセルロース由来の糖からのエタノール生産を含むプロセスを検討した。その結果、両者のエタノール生産処理を統合することにより、エタノール発酵における阻害の軽減の効果が得られ、エタノール収率が大きく向上することが明らかになった。 以上の知見により、加圧熱水処理によるリグノセルロースからのバイオエタノール生産プロセスの効率改善の可能性が示された。また、これらは広葉樹や稲わら、コーンストーバー、サトウキビのバガスなどの多くのリグノセルロースに適用され得る有用な知見であると考えられる。
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Research Products
(4 results)