2009 Fiscal Year Annual Research Report
トコトリエノールによる血管新生抑制効果とその作用機構解析
Project/Area Number |
07J06539
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
柴田 央 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | トコトリエノール / アポトーシス / 血管新生 / DLD-1 / カスパーゼ / ヌードマウス |
Research Abstract |
【研究実績概要】 細胞実験:生体内の腫瘍環境を考慮し、通常酸素分圧、低酸素分圧下でのDLD-1の培養系を用いて、フローサイトメトリーによる解析を行った。その結果、通常酸素分圧下よりも低酸素分圧下、トコトリエノール(T3)処理24時間でDLD-1の細胞周期停止を強く誘導した。T3を48時間処理した場合、sub-G1期の増加から細胞周期停止からアポトーシスへの移行を確認し、この効果は低酸素分圧下で顕著であった。作用機構を明らかにするため、ウエスタンブロット解析により、T3は細胞周期停止タンパク質であるp21やp27の発現を増加させ、細胞周期促進タンパクであるCDK4の発現を減少させるとともに、アポトーシス誘導に関わるカスパーゼ3とカスパーゼ9タンパクの活性化をもたらすことを見出した。またT3処理により、腫瘍増殖マーカーとして知られるリン酸化Aktが減少することを明らかとした。このとき、Aktの総タンパク量に変化はなかった。 動物実験:DLD-1細胞をヌードマウス背部皮下に注入し腫瘍を形成させたマウスに、高純度米糠T3を経口投与し、腫瘍の体積と重量が有意に抑制されることを平成20年度試験により明らかとした。本年度試験において、この腫瘍部位のビタミンE量を蛍光HPLCで測定した結果、腫瘍部位に多量のT3が移行することを確認した。さらに腫瘍部位のタンパク発現をウエスタンブロット法により解析した結果、培養細胞試験の結果と同様、T3はカスパーゼ3、カスパーゼ9タンパクを活性化させた。さらにT3投与群の腫瘍では、リン酸化Aktの減少も確認された。このT3投与群でのリン酸化Aktの減少は、リン酸化Akt抗体を用いた免疫組織化学染色においても抗原染色の減少により確認でき、これらの結果からT3の強力な抗腫瘍効果とその作用機構をin vivo試験で明らかとした。
|
Research Products
(18 results)
-
-
-
-
[Journal Article]2009
Author(s)
柴田央、仲川清隆、宮澤陽夫
-
Journal Title
New Food Industry(ニューフードインダストリー)(食品資材研究会)
Pages: 1-12
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-