2007 Fiscal Year Annual Research Report
多置換ピラン環のジアステレオ選択的構築法の開発と展開
Project/Area Number |
07J06569
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
薬師寺 文華 The University of Tokushima, 大学院・薬科学教育部, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 抗菌活性 / Thiomarinol B / 多置換テトラヒドロピラン環 / 全合成 / ハイブリッド型天然物 / エントロピー効果 / 分子内oxy-Michael反応 / ハロチン部 |
Research Abstract |
強い抗菌活性を示すthiomarinol Bは、4連続不斉中心を含む多置換テトラヒドロピラン環と、特異な構造を有するハロチン部を併せ持つ、合成化学的にも創薬化学的にも大変興味深いハイブリッド型天然物である。合成例は未だ報告されていないことから、thiomarinol Bの世界初となる全合成達成と、この化合物を基盤とする創薬科学的展開を目的に本研究を計画した。 1)まず、連続不斉中心を有する多置換テトラヒドロピラン環の立体選択的構築法の確立を試みた。即ち、エントロピー効果を考慮に入れエポキシドを組み込んだ鎖状化合物の分子内oxy-Michael反応、続くエポキシドの求核開裂により構築できるピラン環部の立体選択性を評価した。これより本反応は高ジアステレオ選択的に進行するという知見を得た。さらに、高圧下での分子内oxy-Michael反応を検討するため、本分野の権威である仏・ルーアン大学、Maddaluno教授のもとで研究を遂行し、ジアステレオ選択性を向上させることができた。2)次にこの知見を基に多置換テトラヒドロピラン環部を構築し、炭素-炭素結合生成を伴うエポキシドの開環反応を経て、4連続不斉中心を有するコアセグメントの合成ルートを確立した。続いて生理活性発現の鍵となるハロチン部の合成に成功した。
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Research Products
(1 results)