2007 Fiscal Year Annual Research Report
9-1-1複合体とPCNAによる標的タンパクとの相互作用と機能制御の構造学的研究
Project/Area Number |
07J06607
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
櫻井 滋 Kyushu University, 大学院・理学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 構造生物 / 結晶構造 / チェックポイント |
Research Abstract |
生体内でゲノムDNAが損傷した場合、細胞周期の停止とDNAの修復機構が連動することによって、正常にDNAが修復される。本研究の対象とするRad9-Rad1-Hus1(9-1-1)複合体は、多種類のDNA複製・修復酵素の活性を促進するPCNAのホモログである。しかし、9-1-1複合体はDNA損傷部位の初期センサー・タンパクとしてPCNAとは異なる機能を担っている。本研究では、9-1-1複合体の結晶構造を決定して、既に報告されているPCNA-タンパク(ペプチド)複合体の立体構造と比較することによって、ホモログである9-1-1複合体とPCNAが異なる機能を持つ原因を構造学的視点から解明することを最終的な目標としている。そこで、本年度は、結晶化の作業に耐えうる9-1-1複合体の大量発現系を構築することを努めた。 まず、大腸菌を用いて、9-1-1の各サブユニット(Rad9,Rad1とHus1)を単独もしくは共発現させた結果、Rad9とHus1は大量に発現するのに対して、Rad1の発現量が極めて低いことが確認された。この結果は、Rad1の発現量を改善することが、9-1-1複合体を安定に大量発現するためのボトルネックになっていることを示唆している。そこで、本研究では、GSTもしくはMBP融合Rad1のコンストラクトを作製することによって、GSTやMBPと共にRad1を強制的に発現させることを試みている。現在までに、GST-Rad1融合タンパクについては大量に発現することが判明している。この結果は、Rad1のN末端側に可溶性タンパクを融合させることによって、Rad1の発現量が改善されることを示唆している。今後、GST-Rad1およびMBP-Rad1融合タンパクのコンストラクトを用いて、9-1-1複合体(Rad9/Rad1/Hus1)の大量共発現系を構築する予定である。
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Research Products
(1 results)