2009 Fiscal Year Annual Research Report
パラジウム・ロジウム酸化物による熱電発電材料の設計と合成
Project/Area Number |
07J06617
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
芝崎 聡一郎 Waseda University, 理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 熱電材料 / 酸化物 / 高温 / Rh |
Research Abstract |
本研究の平成21年度の研究目的は、Rh酸化物の熱電性能の向上と理解である。これまでの研究で得られた知見を利用して、Rh酸化物のRhサイト置換効果の研究を進めた。 本年度は、昨年度に引き続き、ペロブスカイト型構造を持つLaRhO_3の研究を継続し、La_<1-y>Sr_yRh_<1-x>Co_xO_3においてRhサイトのCo置換の研究を深めた。スピン状態が熱電変換材料にとって重要な熱起電力の大きさに寄与することが示唆されており、その解明のために磁化特性を調べた。その結果、La_<1-y>Sr_yCoO_3で見られる強磁性がCoサイトのRh置換とともに減少することがわかった。しかし、非磁性と考えられるRhを置換したことによるスピンモーメントの減少と強磁性を示す領域の減少は一致せず、Rhを置換したことにより、Co間に存在する強磁性秩序を壊しているということが示唆される。 熱起電力も低温領域において大きな値を示し、熱電材料として有益な特徴を示すため、解析を進めた。そして、低温領域での熱起電力の温度係数は中間組成であるLa_<0.8>Sr_<0.2>Rh_<0.5>Co_<0.5>O_3で極大を示すことがわかった。そこで、低温領域における大きな熱起電力の解明のために、La_<1-y>Sr_yRh_<0.5>Co_<0.5>O_3とRhとCoの比率を変化させず、LaとSrの比率を変化させ、キャリア濃度依存性を調べるために試料を合成した。その結果、La_<1-y>Sr_yRh_<0.5>Co_<0.5>O_3の磁化率は低温領域において巨大な値を示し、かつ、ほぼ温度に依存しない振る舞いを示した。これは重い電子系で見られる磁化率の温度依存性に酷似しており、解析を行った結果、有効質量が非常に重くなっていると判明した。加えて熱起電力の低温領域の結果からも同様に有効質量が重くなっていることがわかった。
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Research Products
(9 results)