2007 Fiscal Year Annual Research Report
赤外線レーザー顕微鏡による線虫単一細胞遺伝子制御に関する研究
Project/Area Number |
07J06729
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鈴木 基史 Nagoya University, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 赤外線レーザー / 単一細胞遺伝子発現誘導 / 線虫C.elegans |
Research Abstract |
単一細胞における恒常的遺伝子発現系の開発 生体内での恒常的遺伝子発現誘導系の確立のために線虫C.elegansにおける生体内遺伝子組み換え系(Cre/loxP、Flp/FRT)組み換え効率の比較検討を行った。まず、組み換え酵素遺伝子をヒートショックプロモーター下流に繋いだコンストラクトと恒常的存発現を起こすEF1α(elongation factor1α)プロモーター下流に2個の組み換え配列にはさまれたORF、さらにその下流に組み換えが起こったことを確認するためのGFPを繋げたコンストラクトを作成し、これら二つのプラスミドを持つトランスジェニックラインを作成した。15分37度の熱処理を行ったところ、Cre/loxPシステムの場合、熱処理後4時間で多くの組織で高頻度でのGFPの発現が認められた。一方、Flp/FRTシステムを利用した場合、GFPの発現がほとんど認められなかった。さらにmec-7プロモーターを利用することでtouch neuronにおける熱処理を介した組み換え効率頻度も検討をしたところ、熱処理後6時間においてCre/loxPシステムではほとんどのtouch neuronでGFPの発現が観察されたがFlp/FRTシステムではGFPの発現は全く観察することができなかった。これらの結果から線虫においてCre/loxPシステムの方が細胞種を選ばず効率よく組み替えを行えることが明らかになった。これらの実験を踏まえCre/loxPシステムと赤外線レーザー顕微鏡システムを組み合わせて単一細胞における恒常的遺伝子発現誘導を試みた。赤外線照射後、照射細胞においてGFPの発現が見られ、さらに4日以上持続していた。以上、赤外線レーザー顕微鏡システムとCre/loxPシステムを組み合わせることで個体内の単一細胞における恒常的遺伝子発現系が確立できた。
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Research Products
(2 results)