2008 Fiscal Year Annual Research Report
赤外線レーザー顕微鏡による線虫単一細胞遺伝子制御に関する研究
Project/Area Number |
07J06729
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鈴木 基史 Nagoya University, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 赤外線レーザー / 単一細胞遺伝子発現誘導 / 線虫C.elegans |
Research Abstract |
赤外線レーザー照射システムの改良 これまでに継続的なレーザー照射を利用することで、表皮細胞、DTC、体壁筋などの組織で狙った時期に、狙った細胞で遺伝子発現を誘導できることを示した。しかしながら、線虫深部に存在する神経細胞で遺伝子発現誘導を試みた場合、標的神経以外の細胞で発現が誘導されてしまい、標的細胞で遺伝子発現を誘導することができなかった。そこでレーザー行路にスリットの入っているチョッパーを導入し、パルス照射を行えるようにした。線虫の神経が密集しているnerve ringと呼ばれる部位に存在するAIYニューロンで照射条件検討を行ったところ、周辺に存在する細胞で遺伝子発現は起こらず、AIYニューロンだけで遺伝子発現を誘導することができた。これにより成虫の線虫では、ほぼ全ての細胞で遺伝子発現を自由自在に引き起こすことができるようになった。現在、幼虫期、胚発生期においてパルス照射を行い標的細胞のみで遺伝子発現誘導が可能か検証している。 この改良は、非常に大きな前進であり、他の生物において赤外線レーザー照射による遺伝子発現誘導を行う際に、役に立つと考えられる。多くの場合、目的としている細胞は個体内部に密集して存在するため、線虫で最も神経細胞が密集している領域の一つの細胞で目的の遺伝子を発現させることができたことは意義のあることである。この改良が他生物においても有効であることを今後検討することも計画している。
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Research Products
(3 results)