2007 Fiscal Year Annual Research Report
障害者福祉における地域空間の領域性に関する研究〜計画と生活支援の空間に着目して〜
Project/Area Number |
07J06750
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
古山 周太郎 Toyo University, ライフデザイン学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 障害者福祉 / 生活行動 / 地域福祉計画 / 福祉区 / 精神障害者 / 空間領域 |
Research Abstract |
・地域福祉計画における福祉区域の領域性に関する研究 関東地方1都6県で地域福祉計画を策定済み(2006年10月時点)の102地方自治体のうち、計画内に福祉区や福祉圏域等の区域設定を行っている19計画を対象に、区域設定の基準、地域別の策定プロセス、計画内容の3点に着目して整理した。研究の結果として、計画では、地区社会福祉協議会の区域に基づいて区分されている市町村が多く、小学校区を区分基準に採用している計画は2つだけであった。計画内容をみると、福祉区ごとの現況や課題に触れて全体的な方針を述べている計画、モデル地区での取り組みを紹介する計画、各地域別に課題と方針を述べている計画の3種類に大別できた。以上の研究は、福祉に関する計画における空間領域にはじめて焦点をあてた研究である。 ・障害者の生活行動に関する調査 まず関連文献における精神障害者とコミュニティとの関係を概観した後、地域での活動を通じてコミュニティ形成を行っている団体のメンバーを対象に、地域での生活行動の実態とコミュニティに関する意識を把握した。調査はJHC板橋会に所属するメンバー11名(2施設)を対象に、1時間程度の集団面接方法を用いた。生活行動を、(1)拠点付近の商店街、(2)自宅付近の場所、(3)公園や公共施設、(4)区外繁華街等に分類し、各場所に応じた活動内容や住民との関係を整理した。その結果、地域で暮らす精神障害者は、経済的制約や障害に起因する外出行動の制約があるものの、充分に生活者として行動しており、他住民と同様のコミュニティ意識を形成していることが見受けられた。これらの研究により、精神障害者の地域における生活行動の一端が明らかになり、地域に居住する障害者に対する大規模調査実施に寄与するところが大きい。
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Research Products
(3 results)