2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J06779
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小林 輝明 Kyoto University, 大学院・エネルギー科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ペロブスカイト型構造 / ブラウンミレライト型構造 / 構造相転移 / 全導電率測定 / 活性化エネルギー / 酸化物イオン導電性 / ホール導電性 / 電子導電性 |
Research Abstract |
ブラウンミレライト型構造を有するBa_2In_2O_5は、高温で欠陥ペロブスカイト構造に転移し、高い酸化物イオン導電性を示すことから、高機能を有する新規固体イオニクス材料として期待されている。本研究ではBa_2In_2O_5を固体酸化物形燃料電池の空気極に適用することを目的とし、遷移金属を添加することによって酸化物イオン導電性と電子導電性とを併せ持つ混合導電性酸化物材料の開発を行なった。 BaIn_<1-x>M_xO_<3-δ>(M=Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu)を固相反応法により950-1300℃で合成したところ、添加した遷移金属の種類および量にしたがって斜方晶、正方晶、立方晶の酸化物となった。 BaIn_<0.8>M_<0.2>O_<3-δ>(M=Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu)の空気雰囲気における全導電率を600℃から1000℃の範囲にわたって測定したとき、M=Coの場合は立方晶-正方晶の構造転移に伴う導電率のアレニウスプロットにおいて不連続な変化が見られたが、その他の場合はBa_2In_2O_5で見られるような導電率の急激な変化は見られなかった。見かけ上の活性化エネルギーは、Ba_2In_2O_5の高温相では115kJmol^<-1>であったが、BaIn_<0.8>M_<0.2>O_<3-δ>(M=Fe,Co)では、925℃でおよそ60kJmol^<-1>であり、酸化物イオン以外の導電担体の存在が示唆された。 P_<O2>=10^2-10^5Paの雰囲気で全導電率を測定すると、M=Mnの場合は電子と酸化物イオンの混合導電であり、また、その他の場合はホールと酸化物イオンの混合導電であることが示された。
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Research Products
(1 results)