2009 Fiscal Year Annual Research Report
ナンセンス変異の認識を介したmRNA分解の分子基盤と生理的役割の解明
Project/Area Number |
07J06783
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
高橋 真也 Tokyo Medical and Dental University, 難治疾患研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | NMD / mRNA decay / Rho蛋白質 |
Research Abstract |
個々の細胞が外部からのシグナルを受けて適切な蛋白質発現を遂行するためには、転写、翻訳の制御のみならず、mRNAの安定性を精緻に制御することが重要となる。近年、mRNAの分解の場としてP-bodyと呼ばれる、細胞質内においてドット状に観察される凝集体が存在することが明らかとなってきた。NMD経路に重要な因子群であるUpf因子群も分解酵素群と同様にP-bodyへの局在が認められ、NMD経路において時空間的制御という新しい概念の追及が重要であることが示唆された。 このような背景から、P-bodyにおけるmRNA分解シグナル伝達機構の解明及びP-body形成機構の解明がNMD経路全体像の解明に重要であると考え、培養細胞を用いてその解析を進めている。先の研究において私は、RASSF8がRho蛋白質と共沈降し、P-bodyに局在することを見出しており、これらを手がかりとしてP-body形成のシグナル経路解明を試みている。その結果として、Rho蛋白質を培養細胞に過剰発現するとP-bodyが著しく増加することを確認し、さらにRho活性化時のmRNA分解動態を検出したところ、正常なmRNA分解経路に変化は無いものの、3'末端に分解シグナルを持つ特殊なmRNAにおいては分解が著しく遅延していることを明らかとした。このような特殊なmRNAはP-bodyに速やかに局在する様子が観察されており、mRNAのP-body局在化と分解遅延に何らかの関連があると考えている。今後は、Rhoを介したP-body形成シグナルとmRNA分解及び局在化シグナルの両シグナル経路が連関する分子基盤を明らかにしていきたいと考えている。
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Research Products
(2 results)