2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナンセンス変異の認識を介したmRNA分解の分子基盤と生理的役割の解明
Project/Area Number |
07J06783
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
高橋 真也 Tokyo Medical and Dental University, 難治疾患研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | NMD / mRNA decay / G蛋白質 |
Research Abstract |
個々の細胞が外部からのシグナルを受けて適切な蛋白質発現を遂行するためには、転写、翻訳の制御のみならず、mRNAの安定性を精緻に制御することが重要となる。近年、mRNAの分解の場として「P-body」と呼ばれる、細胞質内においてドット状に観察される凝集体が存在することが明らかとなってきた。NMD経路に重要な因子群であるUpf因子群においても、分解酵素群と同様にP-bodyでの局在が認められ、NMD経路において時空間的制御という新しい概念の追及が重要であることが示唆されてきた。このような背景から、P-bodyにおけるmRNA分解シグナル伝達機構の解明及びP-body形成機構の解明がNMD経路全体像の解明に重要であると考え、培養細胞を用いてその解析を進めている。私は、活性化G蛋白質との相互作用を介して下流へとシグナルを伝えるRAドメインを有する蛋白質であるRASSF8の機能解析を通じてP-body形成機構の解明を試みている。RASSF8はP-bodyに局在し、発現抑制によりP-bodyの形成が抑制される唯一のシグナル蛋白質である。P-body形成において、RASSF8を介したG蛋白質からのシグナルが重要である可能性が考えられたため、RASSF8が相互作用するG蛋白質を、プルダウン法を用いて検討したところ、Rho蛋白質と共沈降することを確認した。さらに、Rho蛋白質を培養細胞に過剰発現するとP-bodyが著しく増加することを確認している。今後、NMD経路並びに正常なmRNA分解経路、双方におけるRASSF8-Rhoシグナル経路の役割を明らかにしていきたいと考えている。
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Research Products
(5 results)