2008 Fiscal Year Annual Research Report
生体分子アレイ化TFTフォトセンサを用いた新規マイクロデバイスの開発
Project/Area Number |
07J06807
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
畠山 慶一 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・工学府, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 遺伝子診断 / マイクロデバイス / マイクロアレイ / point of care(POC) / 一塩基多型(SNP) / フォトセンサ / バイオチップ |
Research Abstract |
前年度までに、TFTフォトセンサ上へ生体分子を簡便に高密度に固定化できることを示し、このセンサを抗体アレイ、ペプチドアレイやプロテインアレイに応用できることを示してきた。また、化学発光を用いて検出感度の向上も達成した。 今年度は、このフォトセンサを用いた新規マイクロデバイスの構築を行い、装置の小型化を試みた。これにより、測定システム全体の小型化と半自動化を達成することができた。また、マイクロ流路と流速を制御することで、DNAハイブリダイゼーション時間を短縮することも可能にした。その結果、全血サンプルから3時間以内で遺伝子診断が可能であった。 次に、このマイクロデバイスと化学発光を組み合わせた、新規検出システムの開発も行った。これにより、励起光源も不必要となり更なる小型化も達成することができた。化学発光に合わせて流路を再設計することで、一般的な発光検出システムより受光効率の高い検出システムを構築することが可能であった。また、反応全体の最適化を行い、全血サンプルから1時間以内で遺伝子診断が可能な検出システムを開発することができた。 最後に、人工核酸であるlocked nucleic acid(LNA)を用いて迅速な遺伝子診断に向けた遺伝子増幅技術の開発を行った。遺伝子増幅反応であるPCRで用いるプライマーの一部にLNAを導入し、アニーリング温度を向上させることで、全体の温度変化量の少ないPCRの設計が可能になる。酵素や諸条件の最適化を行った結果、このLNAを用いた遺伝子増幅技術とマイクロデバイスを組み合わせることで、全血サンプルから30分程度で遺伝子診断が可能であることを示した。以上の成果により、当初の目的である小型の生体分子固定化TFTフォトセンサ内臓マイクロデバイスの構築が達成できたと考えられる。また、このマイクロデバイスの開発によって、非常に迅速な遺伝子診断が可能になった。
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Research Products
(5 results)