2007 Fiscal Year Annual Research Report
超新星爆発モデルの精密化と超新星ニュートリノを用いたニュートリノ振動の解明
Project/Area Number |
07J06817
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
川越 至桜 The Graduate University for Advanced Studies, 物理科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 重力崩壊型超新星爆発 / 超新星ニュートリノ / ニュートリノ振動パラメータ |
Research Abstract |
1.断熱崩壊モデルの改良 重力崩壊型超新星爆発のシミュレーションでは断熱崩壊というモデルを用いることにより、星のコアから外層までの一貫した計算が可能になった。しかし、このモデルでは原始中性子星の収縮に伴う密度変化が確認できなかった。このような密度変化が再現できた場合、高密度な状況下で用いる状態方程式によって爆発の様相が異なってくることが予想される。そこで、より現実的なシミュレーションに近づけるため、断熱崩壊モデルを改良し、星のコアから外層までの一貫したシミュレーションを行うためのコードを開発し、テスト計算を行っている。 2.超新星ニュートリノの観測予測 超新星ニュートリノを地球上で観測した場合の観測予測計算を行った。その結果、超新星ニュートリノの観測数にニュートリノ振動パラメータの値の違いが大きく依存していることが確認できた。従って、超新星ニュートリノから未知のニュートリノ振動パラメータに制限を付けられる可能性があることを確認した。また、観測されるニュートリノにおいて、(高エネルギーニュートリノの観測数/低エネルギーニュートリノの観測数)といった比を取ることで、星内部の衝撃波の影響がニュートリノにはっきりと現れた。また、2次元爆発モデルについても、同様の計算を行った結果、超新星の赤道方向と極方向とで超新星ニュートリノの観測数に違いがはっきりと現れ、上記の比をとった結果、極方向のニュートリノについては、1次元の場合と振る舞いは似ているものの、少し異なる結果となった。これは、星内部の衝撃波の伝播の仕方の違いが反映されているためだと考えられる。従って、超新星ニュートリノから星内部の様子、さらには爆発メカニズムについての何らかの示唆が得られるのではないかと考えられる。
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Research Products
(4 results)