2008 Fiscal Year Annual Research Report
超新星爆発モデルの精密化と超新星ニュートリノを用いたニュートリノ振動の解明
Project/Area Number |
07J06817
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川越 至桜 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 重力崩壊型超新星爆発 / 超新星ニュートリノ / ニュートリノ振動パラメータ / 非球対称爆発 |
Research Abstract |
1.断熱崩壊モデルの改良 断熱崩壊というニュートリノ輸送を考慮しないモデルを用いることで、重力崩壊型超新星爆発のシミュレーションで星のコアから外層までの一貫した計算が可能となった。しかし、このモデルではニュートリノによるコアの冷却が考慮されていないため、原始中性子星の収縮に伴う密度変化が確認できなかった。そこでより現実的な爆発シミュレーションに近づけるため、断熱崩壊モデルにニュートリノ・リーケージスキームを組み込むことでニュートリノ輸送の代わりとし、星のコアから外層までの一貫したシミュレーションを行うコードを開発した。 2.超新星ニュートリノの観測予測とニュートリノ振動 上記の爆発モデルや磁場駆動型の非球対称爆発モデル等、爆発メカニズム異なる様々な爆発モデルにおける超新星ニュートリノのニュートリノ振動計算を行い、それらを元に地球上でそういった超新星ニュートリノを観測した場合の観測予測計算を行った。その結果、爆発モデルの違いや、未知のニュートリノ振動パラメータの違いによって、超新星ニュートリノの観測数や時間変動の仕方が大きく異なることが分かった。この違いは(高エネルギーニュートリノの数/低エネルギーニュートリノの数)といった比をとることでより顕著に現れる。従って、超新星ニュートリノの観測から、ニュートリノ振動パラメータの制限だけではなく、超新星爆発メカニズムについての示唆も得られることが分かった。
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Research Products
(5 results)