2008 Fiscal Year Annual Research Report
多角的アプローチによる運動処置を無条件刺激とした味覚嫌悪学習の形成要因の解明
Project/Area Number |
07J06826
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
柾木 隆寿 Nagoya University, 環境学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 味覚嫌悪学習 / 運動処置 / 回転カゴ走行 / 文脈刺激 / ラット / ゴールデンハムスター |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、回転カゴでの自発的走行や強制遊泳などの運動処置によって生じる味覚嫌悪学習に対して、その形成要因を探るための実験的検討を行った。この現象は味覚溶液を条件刺激、運動処置を無条件刺激とした古典的条件づけの枠組み内で捉えられており、現在までに様々な検討が加えられてきている。しかしながら、この現象の成立はラット以外の他の動物種では確認されていない。そこで、本年度の研究ではこの現象の一般性を調べるために、ゴールデンハムスターを被験体として用い、この動物種でも回転カゴでの自発的走行による味覚嫌悪学習が成立するか否かを検討した。条件刺激と無条件刺激の呈示間隔を操作した2つの実験の結果、ゴールデンハムスターにおいてもこの学習が成立することが認められた。ゴールデンハムスターは貯食などラットとは異なる食行動を示すことから、本実験の結果は、運動性味覚嫌悪学習の一般性を強く示唆するものと言える。また、昨年度の実験で得られた、ラットにおける自発的な回転カゴ走行と文脈刺激との連合可能性について追加的な検討を加えた。以前の実験では、ある文脈刺激内で味覚溶液を摂取させた後に回転カゴ走行を行なわせるという訓練をラットに行わせると、その文脈内で訓練時に用いた味覚溶液だけでなく、水に対する忌避も形成されることが示された。本年度の実験では、このような訓練文脈内での水摂取量の低下が、訓練時に味覚溶液を摂取しておかなければ形成されないことが明らかとなった。この結果は、回転カゴ走行と文脈や味覚などの刺激との間に形成される連合構造に関して有益な示唆を与えるものである。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article]2009
Author(s)
柾木隆寿
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Journal Title
レスポンデント条件づけ-古くて新しい原理. 松見淳子(監修)・武藤崇・米山直樹(監訳). 『臨床行動分析のABC』(Ramner, J. & Toeke, N. (2008). The ABCs of human behavior : Behavioral principles for the practicing clinician (pp. 63-78, Learning by association : Respondent conditioning). CA : New Harbinger Pub
Pages: 97-120
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