2007 Fiscal Year Annual Research Report
特定の種類の神経細胞の可視化及び機能修飾によるゼブラフィッシュ脊髄神経回路の解析
Project/Area Number |
07J06840
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Research Institution | National Institutes of Natural Sciences Okazaki Research Facilities |
Principal Investigator |
木村 有希子 National Institutes of Natural Sciences Okazaki Research Facilities, 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 特別研究員(PD)
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Keywords | 脊髄 / 神経回路 / 機能修飾 / ゼブラフィッシュ / トランスジェニックフィッシュ |
Research Abstract |
本研究の目的はゼブラフィッシュ脊髄に存在する種々の介在神経が機能的回路において果たす役割を調べることである。そのためにまず、特定の神経細胞を可視化或いは機能修飾したトランスジェニックフィッシュを作製する。続いて、可視化した細胞の電気生理学的解析や、特定の神経細胞の機能を修飾した魚の行動解析により、特定の神経細胞が実際の遊泳行動などにおいてどのような働きをしているかを、明らかにする計画である。 19年度は神経細胞の働きを修飾したトランスジェニックフィッシュの作成を目指した。まず、神経修飾に用いる分子を複数の候補分子の中から吟味した結果、機能抑制の為にはテタナス毒素、活性化のためには光活性型チャネルを用いることにした。続いて、選択した修飾分子をトランスジェニックフィッシュで発現させる為の方法を模索した。使用する分子によっては、それらを発現させた細胞が正常に機能しない結果、魚が性成熟前に死亡する可能性がある。これを回避する為に、別の系統のトランスジェニックフィッシュを掛け合わせてはじめて、修飾分子が発現する系が必要である。テタナス毒素の場合、Cre-loxPシステムが有効であることを確認した。さらに、Creを分割して別々の系統で発現させることで、3系統のトランスジェニックフィッシュを掛け合わせてはじめて神経修飾分子が発現する系を作ることにも挑戦した。これにより、神経修飾分子の発現に用いるプロモーターの種類が増えるので、神経修飾分子を発現させる神経細胞の種類を絞り込める。Creを分割して機能させることには成功し、現在分割したCreを特定の神経細胞で発現するトランスジェニックフィッシュを作製している。19年度の目標である神経細胞の働きを修飾したトランスジェニックフィッシュを作成する系の開発は達成できた。この成果を基に次年度では具体的な脊髄神経回路の解析を行うことができる。
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Research Products
(1 results)