2007 Fiscal Year Annual Research Report
リチウムアミドの不斉共役付加反応を基盤とするKopsijasmineの不斉全合成
Project/Area Number |
07J06842
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
坂井 健男 Kyoto University, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 不斉反応 / 共役付加反応 / ラクタム / 転位反応 / リチウム / インドール / アミン |
Research Abstract |
当研究室では外部キラル配位子制御によるリチウムアミドの不斉共役付加反応を報告している。これを鍵工程としたインドールアルカロイドである(-)-Kopsijasmineの全合成を目指して研究を行った。合成研究中、塩素-リチウム交換反応によるインドール2位の官能基化を目指して、インドール上2位に塩素を導入した3-アミノカルボン酸エステルをTHF中6当量のt-ブチルリチウムで処理した。すると、予想外に5員環ラクタムと7員環ラクタムが得られた。文献上、βラクタムを塩基処理すると、5員環、7員環ラクタムへと環拡大することが知られている。対応するβラクタムを合成し、これを、さらにt-ブチルリチウムで処理すると、3-アミノカルボン酸エステルを直接反応させたときと同様の収率で5員環、7員環ラクタムが得られた。つまり、βラクタムへの環化反応に続く[1,2]-もしくは[2,3]-転位連続反応により、5員環ラクタムと7員環ラクタムが得られたと理解ができる。 外部キラル配位子制御によるリチウムアミドの不斉共役付加反応により、光学活性な3-アミノカルボン酸エステル合成、これを用いて反応を行った。一部の基質はほぼラセミ化した5員環もしくは7員環ラクタムを与えたものの、一部では非常に意外なことに部分的に不斉収率を維持したまま5員環ラクタムを与えたものもあった。さらに、カルボニルα位にメチル基を導入すると、不斉収率を維持したままジアステレオ選択的に反応は進行し、すべてシスの7員環ラクタムが55%,85% eeで得られた。
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Research Products
(3 results)