2008 Fiscal Year Annual Research Report
台湾先住民・ブヌン族による地図作成運動と土地観念の歴史的変容に関する人類学的研究
Project/Area Number |
07J06863
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
石垣 直 Yokohama National University, 教育人間科学部, 特別研究員PD
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Keywords | 先住民 / 地図 / 土地観念 / 権利回復運動 / 植民地主義 / 脱植民地化 / 台湾 / ブヌン族 |
Research Abstract |
本年度は、これまでの研究成果を踏まえ、日本文化人類学会第42回研究大会(於:京都大学)において、台湾のオーストロネシア語族系先住民による土地回復運動のイデオロギー的変遷に関する研究発表を行った。また、7月初旬には北海道における国際先住民族サミットに参加した。さらに、8月後半から9月前半にかけて台湾各地(台北市、南投県、台東県など)を訪問し、先住民による地図作成調査ならびにブヌン族の現代的な土地制度および土地観念に対する調査を実施するとともに、9月初旬には高雄県那瑪夏郷におけるアジア諸国先住民族ワークショップに参加した。 10月後半には、諸分野の研究者が参加する勉強会「仙人の会」の例会において、これまでの調査・研究成果を踏まえた上で、台湾の先住民社会に対して実施された土地政策の歴史、ならびにブヌン族による現代的な土地・保留地の継承・分配制度に関する研究発表をおこなった。 くわえて11月後半から翌2009年3月半には、米国・ハワイ大学マノア校人類学部を訪問した。当初の計画では中央研究院(台北市)を訪問する予定であったが、訪問先をハワイ大学に変更したのは、台湾のオーストロネシア語族系先住民社会における土地政策史および権利回復運動の状況を、太平洋の他のオーストロネシア社会との比較という視点から捉えようと考えたためである。滞在中にはハワイ大学および併設されている東西センターの研究者らとの意見交換や研究会・シンポジウムへの参加を通じて、これらの地域における土地制度および権利回復運動の状況に関する理解を深めることができた。なお、ハワイ大学訪問中には二つの論文を作成し、現在投稿中である。
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Research Products
(2 results)