2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J06866
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小畑 幸嗣 Nagoya University, 情報科学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 集積回路 / 単一磁束量子回路 / 計算機援用設計 / 設計支援 / 設計自動化 |
Research Abstract |
次世代集積回路技術の有力候補の一つである、単一磁束量子(SFQ)回路技術のための設計手法について研究を行った。具体的には、SFQディジタル回路に向いた順序回路の構成法、算術演算回路の構成法、レイアウト手法等の研究を行った。 SFQディジタル回路では、パルスを用いて論理値が表現される。また、各論理ゲートにクロックを供給する必要があり、各論理ゲートはラッチ機能を有する。このため、既存の半導体集積回路と同様の手法で順序回路を設計した場合、SFQ回路の高スループット性を活かした回路を設計することができない。そこで、SFQ回路特有のゲートを使用することで、高スループット順序回路の設計を可能にする新たな設計手法を提案した。プログラムを実装し、ベンチマーク回路に適用することで、提案手法の有効性を確認した。既存の手法に囚われることなく、回路技術ごとに新たな専用の手法を開発することで、高性能な回路を設計することが可能となることを示した。 算術演算回路の構成法では、SFQ回路実現に向いたビットシリアル浮動小数点乗算器、除算器を提案した。シストリックアレイ構造を採用することで、小面積かつ高速、高スループット回路を実現した。前にも述べたように、SFQディジタル回路の論理ゲートはラッチ機能を内蔵する。 この特徴はシストリックアレイ構造と親和性が高く、シストリックアレイ構造の採用がSFQ算術演算回路を設計する上で有望な選択肢であることを示した。 レイアウト手法の研究では、既存の半導体集積回路向けツールのSFQ集積回路への適用可能性を検討した。既存の半導体集積回路向けツールを用いてSFQ集積回路のレイアウトを行うことは難しく、新たな手法やアルゴリズムの開発が必要であることがわかった。
|
Research Products
(2 results)