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2009 Fiscal Year Annual Research Report

二〇世紀思想史と革命的マルクス主義の形成および展開

Research Project

Project/Area Number 07J06878
Research InstitutionWaseda University

Principal Investigator

白井 聡  Waseda University, 政治経済学術院, 特別研究員(PD)

Keywords宇野弘蔵 / マルクス経済学 / レーニン / 帝国主義 / マルクス / 『資本論』 / 戦後民主主義 / メシアニズム
Research Abstract

本年度に発表された主たる業績は、黒滝正昭・相田愼一・太田仁樹編『ポスト・マルクス研究-多様な対案の探究』に収録された論文「経済学と革命-宇野弘蔵におけるレーニン」である。本論文は、日本において独自のマルクス経済学の体系を築いた宇野弘蔵の理論形成におけるレーニンの決定的な影響を考察することを主題としている。宇野理論におけるいわゆる三段階論(原理論、段階論、現状分析)が形成されるにあたって、原理論と段階論とを峻別するという根本着想を与えたのがレーニンの『帝国主義論』であったことは、よく知られている。しかしながら、従来の研究において、「科学とイデオロギーの峻別」を強調した宇野がいかなる思想的意味合いでレーニンから強い影響を受けたのか、ということはほとんど問われてこなかった。本論文は、この点の探究を進めたことに大きな意義がある。また、両者の影響関係を考察することによって、宇野理論が持ったとされる政治的含意(すなわち、ともに極端な静観主義と主意主義)が出現した必然性を明らかにしつつ、宇野の理論には、こうした両極端とは異なる政治的含意が含まれていることを明らかにした。具体的には、原理論と現状分析の悪循環的性格・無制限性を指摘したうえで、かかる性格を体系構築め初発においてすでに否定している段階論の性格、すなわち、それが歴史における現在をつねにすでに「永遠に繰り返される」悪循環の世界から切断しているということを指摘し、かかる方法がレーニンから受け継がれたものであることを示した。
本研究は、レーニンと彼の同時代思想家との対比を行なうという本研究計画の手法をより現代的な局面に対して応用したものである。

  • Research Products

    (2 results)

All 2009

All Journal Article (2 results)

  • [Journal Article] 決起の論理-『カイジ』、『最強伝説 黒沢』、そして秋葉原事件2009

    • Author(s)
      白井聡
    • Journal Title

      ユリイカ 第41巻第12号

      Pages: 156-162

  • [Journal Article]2009

    • Author(s)
      白井聡
    • Journal Title

      ポスト・マルクス研究-多様な対案の探究(黒滝正昭・相田愼一・太田仁樹編)(ぱる出版)

      Pages: 235-274

URL: 

Published: 2011-06-16   Modified: 2016-04-21  

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