2008 Fiscal Year Annual Research Report
高エネルギー粒子を用いたガンマ線バーストなどの高エネルギー天体現象解明への研究
Project/Area Number |
07J06921
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村瀬 孔大 Kyoto University, 理学研究科, 特別研究員(CD1)
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Keywords | 高エネルギーニュートリノ / 高エネルギーガンマ線 / 高エネルギー宇宙線 / ガンマ線バースト / 銀河団 / 活動銀河核 / 宇宙磁場 |
Research Abstract |
宇宙線と呼ばれる高エネルギーの放射線が宇宙から地球に絶えず降り注いでいるが、その高エネルギー宇宙線がどこでどうやって作られているかは現在まで明らかではない。特に10の18乗eVを超えるような超高エネルギーの宇宙線は我々の銀河系の外で作られていると考えられており、起源の候補の一つとして宇宙で最も激しい天体爆発現象であるガンマ線バースト(GRB)が提案されている。我々は高エネルギー宇宙線源としてのGRBという可能性を徹底的に検討し、高エネルギーニュートリノ観測や高エネルギーガンマ線観測などへの示唆を詳細に議論した。またGRBだけでなく超高エネルギー宇宙線の起源が突発天体である場合を一般的に考察し、起源天体に必要とされる条件を理論計算によって調べた。これらの成果をPhysical Review誌とAstrophysical Journal誌に3つの論文として発表した。また10の18乗eVより少し低いエネルギーの宇宙線の起源は現在特にわかっていない状態であるが、我々は銀河の集まりである銀河団が起源であるという新説を提唱し、その場合銀河団からのニュートリノが2011年に完成予定であるIceCubeなどの大型観測機器で観測可能であることを示した。これらの成果はAstrophysical Journal誌に発表された。更にニュートリノ観測によって起源が銀河系の外か内かを知ることができることを示し、成果をAstroparticle Physics誌に発表した。 我々は高エネルギーニュートリノだけでなく高エネルギーガンマ線に関する理論的な計算も行い、GRBや活動銀河核から放射される10の12乗eVを超えるようなガンマ線が作る光のこだまが今年打ち上げられたFermi衛星によって観測されうることを示した。もしこの光のこだまを検出できればよくわかっていない宇宙磁場や粒子加速のメカニズムに迫る非常に貴重な手がかりとなりうる。これらの成果はAstrophysical Journal誌に2つの論文として発表された。
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Research Products
(17 results)