2009 Fiscal Year Annual Research Report
高エネルギー粒子を用いたガンマ線バーストなどの高エネルギー天体現象解明への研究
Project/Area Number |
07J06921
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村瀬 孔大 Kyoto University, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 最高エネルギー宇宙線 / 超高エネルギーガンマ線 / 高エネルギーガンマ線 / 高エネルギーニュートリノ / ガンマ綿バースト / マグネター / 重力波 / 粒子加速 |
Research Abstract |
宇宙線の中でも、特に10の18乗eVを超えるような超高エネルギーの宇宙線の起源は最大の謎である。最新の観測結果から、最高エネルギー宇宙線源は突発天体であるか、最高エネルギー宇宙線は陽子ではなく重い原子核であるという2つの可能性が示唆されている。その場合、どうすれば最高エネルギー宇宙線起源を突き止めることができるのであろうか?私はその問いについて深く考察し、前者については最高エネルギーガンマ線が、後者については原子核の脱励起ガンマ線が重要なプローブとなりうることを世界で初めて示した。前者の成果はPhysical Review Letters誌に発表され、後者の成果は現在論文投稿中である。またニュートリノ背景放射についてWaxman-Bahcall極限に代わる原子核生存極限の提唱を行い、最高エネルギー宇宙線が原子核の場合、起源天体からのニュートリノ背景放射フラックスは小さくなることを示した。個々の天体の起源としての可能性については2008年にガンマ線バーストについて詳細な研究を行ったので、それを応用してマグネター、活動銀河、銀河団についての研究を行い、前者2つはPhysical Review D誌に、後者はAstrophysical Journal誌に発表した。マグネターが最高エネルギー宇宙線源ならばニュートリノが検出されるべきであることを指摘した論文はNature Physics誌にハイライト記事として紹介された。 私はガンマ線バーストの放射機構や爆発機構の解明も目指しており、ガンマ線バーストの高エネルギースペクトルの端について詳細に調べた。また、外部コンプトン散乱による高エネルギー放射が初期残光の機構解明のための有効なプローブとなりうることを示した。ガンマ線バーストの中心エンジンのプローブとしてのメモリ重力波に注目、ニュートリノと重力波の同時観測が重要であることを示し、その成果をPhysical Review D誌に発表した。 さらには宇宙線粒子の衝撃波加速機構について、加速粒子の源からの逃走過程を考慮した基礎的な研究も行った。
|
Research Products
(19 results)