2009 Fiscal Year Annual Research Report
日本列島における先史人類の定住化をめぐる動態的研究
Project/Area Number |
07J06930
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
藤山 龍造 Meiji University, 文学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 先史人類 / 定住化 / 資源開発 / 移動形態 / 先土器時代 / 縄文時代 / 狩猟採集民 |
Research Abstract |
本年度は,3年間に渡る研究成果を総括するとともに,幾つか派生的な研究を行った。総括にあたって重点を置いたのは,課題研究が主眼とする先史人類の定着化をめぐって,その過程を明確に跡づけ,評価し直すことであった。これによって,縄文時代の初頭を迎え,環境変化が進むのと軌を一にして,先史人類が限られた範囲へ労働力を投下するなど,資源開発の様態が大きく再編されることを実証した。そのうえで,考古学と生態学の成果を融合することによって,その背後に資源開発の予測性の向上なる問題が潜んでいるとの結論に達している。 さらに上記の研究から派生するかたちで,それに継起する変化を明らかにすることを目指した。なかでも重点を置いたのは,これまでどおり石材消費から先史人類の行動形態を復元することによって,それが環境変化と密接な関係にあることを裏付けることであった。その結果,やはり後続する気候変化と呼応するように,先史人類の移動形態が大きく再編されることが明らかとなった。言葉を換えるならば,こうした成果は上述した議論を大きく補強するものであり,国内外から注目される定着的な狩猟採集民の形成過程をめぐって,その背景を明確にしている。
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Research Products
(2 results)