2007 Fiscal Year Annual Research Report
日本列島における先史人類の定住化をめぐる動態的研究
Project/Area Number |
07J06930
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
藤山 龍造 Meiji University, 文学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 縄文時代 / 定住化 / 資源開発 / 狩猟採集民 / 考古学 |
Research Abstract |
報告者が最終的な目標とするのは,(a)縄文時代初頭の居住形態に注目しながら,(b)獲得経済下で先史人類が定着的な生活を営み始める過程を明らかにしてゆくことである。なかでも,先史人類の居住形態と資源開発を関連づけたうえ,同様の過程を歴史的な動態のもとで評価することを見据え,以下の研究を進めることができた。 (1)狩猟活動の研究 欧米を中心に展開してきたoff-site archaeologyの手法を応用しながら,従前の研究が重視しない稀薄な痕跡に注目することによって,縄文時代初頭における狩猟空間の変化を明らかにした。 (2)居住形態の研究 神子柴遺跡(長野県)を中核に据えつつ,周辺遺跡の石材消費や分布の解析を進めることによって,東北日本から中部高地に至る先史人類の壮大な巡行を明らかにした(平成20年度に公表を予定)。 (3)石器群の研究 縄文時代の初頭に見られる板状砥石の製作技法に着目したところ,早くから擦切技法を応用しながら,特定の遺跡で石器の一括生産が進められていることを明らかにした(平成20年度に公表を予定)。
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Research Products
(2 results)