2008 Fiscal Year Annual Research Report
生体信号のカオス解析によるヒューマンエラー発生の予測と制御
Project/Area Number |
07J06944
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
今西 明 Kwansei Gakuin University, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ヒューマンエラー / カオス解析 / リアプノフ指数 / 生体信号 / 指尖容積脈波 / 疲労 |
Research Abstract |
死亡事故等の原因となるヒューマンエラーを生起し得る心身状態を生体信号のカオス性から予測するため、昨年度に引き続き、脈波におけるカオス的指標の妥当性を検討した。カオス的指標の代表であるリアプノフ指数は様々な研究により、将来、工学的利用可能性が期待されているが、リアプノフ指数は元来、解析対象がカオス性を持つ信号であるか否かを判断する指標として確立されたものであるため、それを定量的に使用するためには、その妥当性を検証する必要がある。また、カオス解析は有益であることが伺えるが、解析手法そのものが確立されておらず、そこで用いられる複数のパラメータの設定基準が任意とされていることから、研究間の比較が困難であった。そこで今年度は解析に用いられるパラメータである遅延時間、発展時間、超球、サンプリング周波数、解析区間とリアプノフ指数の関係についてシミュレーションを行って検討した。その結果、1)遅延時間が長い、2)発展時間か短い、3)超球が小さい、4)サンプリング周波数が小さい、5)解析区間が短いほど、リアプノフ指数は線形的に増加する傾向が見られた。この結果は日本人間工学会の学会誌である「人間工学」に掲載が決まっている。 基礎研究と並行して、脈波を用いたカオス解析ができるシステム作りも行った。これまでは市販されているソフトを使って解析していたが、それとは異なるオリジナルの解析パッケージを作成しているため、非常に自由度が高い。これまでに行って来た実験結果を改めて解析し直し、新たな知見が得られる可能性が出てきた。
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Research Products
(6 results)