2008 Fiscal Year Annual Research Report
左右差に着目した両手協調動作の制御機構の解明-非線形力学系モデルによる検討-
Project/Area Number |
07J06953
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤井 進也 Kyoto University, 高等教育研究開発推進センター, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 運動制御 / 運動学習 / 両手協調 / 道具 / 筋電図 / 変動性 / 音楽家 / 歩行 |
Research Abstract |
本年度は、両手協調動作の制御機構を検討するため、以下の3つの研究を遂行した。第1の研究では、道具の使用がヒトの両手協調動作に与える影響を明らかにすることを目的とし、ドラム奏者の両手交互協調パフォーマンスに対するスティック使用の影響を調査した。実験の結果、スティックの使用は、打撃力の向上のみならず、両手協調動作の安定性を向上させることが明らかとなり、道具の使用はヒトの運動能力あるいは表現能力の拡張に寄与していることが示唆された。この研究成果は、国際学術雑誌Motor Control誌に受理され、現在印刷中である(Fujii and Oda,in press)。第2の研究では、両手協調動作の構成要素となる片手動作に焦点を当て、熟練した周期的片手動作の背景にある筋活動を明らかにすることを目的に、熟練ドラム奏者と非ドラム奏者のスティッキング動作中の手首筋活動を調査した。実験の結果、熟練したスティッキング制御の背景には、安定した筋活動タイミングと低い主動筋-拮抗筋間の同時収縮水準が存在することが示された。この研究成果は、国際学術雑誌Motor Control誌に受理され、現在印刷中である(Fujii et al.,in press)。第3の研究では、四肢の協調という観点から、ヒトの歩行動作に焦点を当て、予測不可能な段差に対する適応的な姿勢回復機構について検討した。実験の結果、ヒトは踏み外し後、即座に足関節の底屈筋群の活動を増大させること、着地した後、足の離地タイミングを調整し歩行リズムを維持すること、離地後には、膝を深く屈曲させ段差を乗り越える方略を取ることが明らかとなった。この研究成果は、国際学術雑誌Gait and Posture誌に発表された(Shinya,Fujii,and Oda,2009)。
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Research Products
(4 results)