2009 Fiscal Year Annual Research Report
反応型プロセスを用いたポリマーブレンドのダイナミクスと相溶機構の解明
Project/Area Number |
07J06958
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三浦 裕 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ドラックデリバリー / ブロックポリマー / 高分子ミセル / ナノパーティクル |
Research Abstract |
本研究は、工業的、実用的目的に主眼が置かれているポリマーブレンドのReactive Processingにおいて、厳密に構造の制御された官能基化ポリマーを用いること、さらにin-situに生成する様々な共重合体の生成量を正確に検出する分析法を新たに開発することで、それらのポリマーブレンドにおける効果や影響を材料レベルに加え、分子レベルで定量的に解析して取り扱うポリマーブレンドの新しいChemistryの確立にある。また、工業および実用面への検討として、薬物をポリマーブレンド、ナノパーティクル、ミセル内に導入(内包化)し、それらを外部刺激によって放出制御できる機能性材料の開発を試みる。本年度はPEG(12k)-b-PGlu(DP20)ブロックポリマーとオキサリプラチン誘導体であるDACHPtを用いた場合のミセル形成についてCDスペクトルを用いて評価した。その結果、CDスペクトルには明瞭なコットン効果が観察された。これはDACHPtがブロックポリマーのGluセグメントと配位結合を形成すると同時にα-ヘリックスも形成、つづいてGluセグメントの疎水化を引き起こすことで自己組織化が始まり、最終的にミセルが形成することを示唆している。さらに、マイケル付加反応を用いることで穏和な条件下にてミセルの表層へ生理活性物質であるcRGD環状ペプチドを導入することに成功した。 ヒト乳がん細胞であるMDA-MB-435S細胞を用いてMTT assayにて毒性試験を実施したところ、cRGDを有するミセルのIC50が70μMであるのに対して、cRGDのないミセルは1000μMであり、cRDGミセルの優位性を確認できた。このようにnmスケールで制御できた高分子集合体は薬物のキャリアとして非常に有用であると期待される。
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Research Products
(2 results)