2008 Fiscal Year Annual Research Report
水田におけるメタンバブル賦存量の計測技術の開発と貯留・放出に及ぼす変動要因の解明
Project/Area Number |
07J07010
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Research Institution | National Institute for Agro-Environmental Sciences |
Principal Investigator |
常田 岳志 National Institute for Agro-Environmental Sciences, 大気環境研究領域, 特別研究員(PD)
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Keywords | メタン / 水田 / 地球温暖化 / 気泡 / 高CO_2 / Free-air CO_2 enrichment / イネ / 温室効果ガス |
Research Abstract |
水田におけるメタンバブル賦存量の計測技術の開発と貯留・放出に及ぼす変動要因の解明を進め、以下の知見よび成果(1〜4)を得た。 1.メタンバブル賦存量の計測技術の開発 一般的には水分センサとして使われているTime domain reflectometryセンサを用いて湛水した水田土壌中の気泡賦存量を測定する方法の開発を進め、土壌の還元化にともなって気泡が蓄積し、誘電率が低下する様子を捉えることに成功した。 2.土壌中ガス濃度計測手法の開発 ガス透過性チューブを用いて空間代表性の高い土壌ガス濃度データ得る方法の開発を進めた。チューブ内外のガス濃度が平衡するのに必要な時間の推定等を膜厚や透過係数から解析し、その結果を解説記事として発表した。 3.気泡の噴出を引き起こす物理的要因に関するレビュー メタンバブルが土壌から大気へ噴出する際の物理的メカニズムに関しての考察を進め、大気圧変動、温度、水位の変動が噴出を引き起こすメカニズムを定量的に解析した。さらに既存のフラックス観測方法の問題点と今後取り組むべき課題を整理し、総説としてまとめた。 4.大気CO2濃度増加および温暖化が水田からのメタン発生量に及ぼす影響の解明 岩手県雫石町の温暖化・free-air CO2 enrichment(FACE)水田において、大気CO_2濃度の上昇(+200ppm)と温暖化(実験では水および土壌を+2℃加温)が水田からのメタン放出量に与える影響を調査した。その結果、+2℃の加温により40-50%もメタンの放出量が増えること、高CO_2も10-30%程度メタン放出量を増加させ、両者を併せた増加効果は80%にも達することを明らかにした。
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Research Products
(3 results)