2009 Fiscal Year Annual Research Report
S. griseusにおける二次代謝、形態分化制御蛋白質のプロテオーム解析
Project/Area Number |
07J07090
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
赤沼 元気 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | Streptomyces / A-factor / AdpA / proteome |
Research Abstract |
放線菌Streptomyces griseusは、自身が生産する低分子調節物質A-ファクターにより、グローバルな転写活性因子であるAdpAの発現を活性化し、形態分化・二次代謝を誘導する。受入研究室ではこれまで、複数の分泌プロテアーゼやプロテアーゼ阻害タンパク質の生産がA-ファクターによって誘導されることを示し、形態分化に分泌プロテアーゼが重要な役割を果たしていることを明らかにしてきた。昨年度までに、野生株とadpA破壊株の菌体外蛋白質の比較プロテオーム解析を行い、多くの分泌タンパク質がA-ファクターによって発現誘導されていることを示した。また転写解析も併せて行い、AdpAによって直接的な発現制御をうける分泌蛋白質遺伝子を新たに11種見出している。本年度は昨年度までの解析で、A-ファクター依存性分泌蛋白質であることが示されたSGR2418を基質結合蛋白質として有するオリゴペプチドABCトランスポーターの機能解析を行った。 S.coelicolor A3(2)では菌体外に生産されるペプチドがシグナル分子として形態分化に関与しており、ペプチド取込みABCトランスポーターをコードするbldKオペロンの変異株は気中菌糸を形成しない。一方、S.griseusのゲノムにはBldKホモログは見出されていない。しかし、SGR2418を含むオペロン周辺の遺伝子配置はS.coelicolor A3(2)、bldK周辺の遺伝子配置と類似していた。SGR2418の遺伝子破壊株は気中菌糸形成能を失っていたが、野生株と近接させて培養すると気中菌糸を形成した。また、ペプチド系抗生物質であるビアラボスへの耐性能も向上していた。これらの結果から、SGR2418を含むオペロンがS.griseusにおいてbldK機能を担っていることを示した。
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Research Products
(4 results)