2008 Fiscal Year Annual Research Report
高機能植物への応用を目指した植物ホウ素トランスポーターBOR1の構造・機能解析
Project/Area Number |
07J07094
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
笠井 光治 The University of Tokyo, 生物生産工学研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | ホウ素 / BOR / モリブデン / MOT / Fluorescence-detection Size-Excelusion Chromatography / エンドサイトーシス / ユビキチン化 / リジン |
Research Abstract |
1.BORタンパク質のの可溶化用界面活性剤のスクリーニングおよび精製 本年度はBORタンパク質の結晶化を目標として出芽酵母で発現したホウ酸トランスポーターBORタンパク質の可溶化,精製を行うために最適な界面活性剤のスクリーニングを行った.シロイヌナズナBORファミリー7種のうちBOR1〜5の5種,および出芽酵母ScBOR1の計6種,加えてシロイヌナズナのモリブデン酸トランスポーターMOT1とMOT2について,C末端GFP-6xHis-Tag融合タンパク質を出芽酵母に発現させた.これらすべてのタンパク質と4種の界面活性剤,n-dodecyl-ss-D-maltoside(DDM),Fos-choiine12,CYMAL6,Lauryldimethylamine-oxide(LDAO)との組み合せについて,可溶化率の検定およびFluorescence-detection Size-Exclusion Chrotnatography(FSEC)法による単一分散性の確認を行い,BOR4-DDMおよびMOT2-DDMの組み合わせがタンパク質精製,結晶化に適していると考察された.この両者についてHis-tag affinity resinを用いて精製を行い,精製したタンパク質はSDS-PAGE-CBB染色でほぼ単一のバンドとして検出された. 2.BOR1のC末端領域のリジン残基およびセリン・スレオニンリッチ領域の変異解析 BOR1のホウ素濃度依存的なエンドサイトーシス・分解に関与するアミノ酸残基の同定を目的としてBOR1-C末端領域の変異解析を行った.BOR1パラログであるBOR4はB過剰条件下でも分解しない.また,当研究室においてBOR1はホウ素添加に応答してユビキテン化されることが見出されている.そこでBOR4にはなくBOR1に存在するC末端領域(CTD)のリジン残基に着目し変異導入を行った.その結果,590番目のリジンをアラニンに置換する変異によりB濃度依存的分解が完全に抑制された.このK590A変異体は根の内皮細胞等における中心柱側の細胞膜への局在性を維持していた.一方,BOR4にはなくBOR1に存在するCTDのセリン・スレオニンリッチ領域(STRD)内の652番目のセリンから655番目のセリンまでをすべてアラニンに置換した変異体についてはホウ酸濃度依存的な分解が正常に起こるものの,中心柱側の細胞膜への局在性は著し<失われていた.
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Research Products
(4 results)