Research Abstract |
これまでに報告されたTLNの活性を向上させる変異(Leu144→Ser,Asp150→Glu)あるいは熱安定性を向上させる変異(Ser53→Asp,Leu155→Ala,Gly8→Cys/Asn60→Cys/Ser65→Pro)を組み合わせ,TLNの活性と熱安定性への効果を調べた. 変異型酵素は大腸菌で生産し,培養上清から精製した.L144S,D150E,L144S/D150EのZ-Asp-Phemethyl ester分解のK_<cat>/Kmはそれぞれ,野生型酵素(WT)の5.3,3.5,10.5倍であった.S53D,L155A,G8C/N60C/S65P,S53D/L155A,G8C/S53D/N60C/S65P,G8C/N60C/S65P/L155A,G8C/S53D/N60C/S65P/L155Aの80℃での一次の熱失活速度定数はそれぞれ,WTの43,60,48,23,50,30,28%であった. 活性はLeu144→SerとAsp150→Gluの組み合わせにより向上した.安定性はSer53→AspとLeu155→AlaあるいはLeu155→AlaとGly8→Cys/Asn60→Cys/Ser65→Proの組み合わせにより向上したが,Ser53→AspとGly8→Cys/Asn60→Cys/Ser65→Proの組み合わせにより向上しなかった.このことから,Ser53→AspとGly8→Cys/Asn60→Cys/Ser65→Proが熱安定性を向上させるメカニズムは同じであることが示唆された.
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