2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J07159
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大熊 孝広 Kyoto University, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ブラウン運動 / 不可逆仕事 / 極低温希薄気体 / 非平衡定常ゆらぎ / 自己推進粒子 |
Research Abstract |
希薄気体の極低温のおけるボーズアインシュタイン凝縮では、温度変化に対する凝縮体の生成過程のほか、相互作用や外場の影響を自由に調節・操作できることなどから、希薄なマクロ量子凝縮体の非平衡ダイナミクスを研究する場としても大変興味深い。系のゆっくりとした時間発展は熱浴自由度の相互作用によって、一般に非マルコフ型の確率微分方程式で記述できる場合かおる。今年度はこの確率微分方程式の簡単なモデルを用いて、ダイナミクスの熱浴による時間遅れの効果を操作に対する不可逆仕事を通じてどのように現れるか調べ定式化した。また非平衡定常系での揺らぎの性質から、詳細釣り合いの破れや、揺動散逸関係の破れ、オンサーガの相反定理の破れが、不可逆性を表す確率遷移流れと関係することを明らかにした。これらは一般論であるけれども、今後、量子非平衡系を含め、具体的実験に応用されていくことを期待している。また、変形をともない自己推進する数学的モデルを導入し、新規な分岐構造やダイナミクスの存在を明らかにした。
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Research Products
(3 results)