2007 Fiscal Year Annual Research Report
非接触測定法によるDNA単一分子鎖の本質的伝導特性の評価
Project/Area Number |
07J07161
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山上 隆平 Osaka University, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | DNA / ホール移動 / TRMC法 / パルスラジオリシス / アニオンラジカル |
Research Abstract |
DNAをナノテクノロジーへの研究を展開するために、DNA一分子の持つ固有の物理的性質、特にその電気的特性を正しく評価する手法を開発しなければならない。そのためには、配列が分かった、決まった鎖長で、電荷キャリアの挙動を分子一個の伝導度の固有の値として評価することが必要である。 そこで本研究では、申請者の研究室で開発した時間分解マイクロ波伝導度測定法(Time-Resolved Microwave Conductivity: TRMC法)を、光増感剤で化学修飾したDNAに適用し、レーザーホトリシス法でDNA鎖中に電荷キャリアであるホールを生成させ、まさに電荷を輸送している状態にある分子固有の伝導度を観測した。また、パルスラジオリシス法により、水和電子とDNAが反応することで生成した、負電荷であるDNA中のアニオンラジカルの挙動についても観測を行った。 光増感剤としてnaphtalimideを用いて、特定の位置にnaphtalimideを結合させた種々の配列のオリゴヌクレオチドを合成し、レーザー照射によりDNA中にホールを生成させ、TRMC法によりその配列による電気伝導性の違いを観測した。同時にTAS法により反応中間体の解析を行い、生成した過渡種の定量を行った。TRMC、 TAS法を合わせて時間分解測定により、DNA鎖中生成したキャリアの時間挙動、その実態を観測した。ここから、配列によるDNA中ホール移動の電気伝導特性の違いをTRMC方により観測することに成功した。 パルスラジオリシス方では、生成したアニオンラジカルのDNAの配列による挙動の違いと、各種塩基のアニオンラジカルのダイナミクスを観測することに成功した。
|
Research Products
(2 results)