2008 Fiscal Year Annual Research Report
トウモロコシ幼葉鞘におけるインドール酢酸合成細胞の特定と細胞内局在に関する研究
Project/Area Number |
07J07171
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
西村 岳志 Tokyo Metropolitan University, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | IAA / トウモロコシ幼葉鞘 / 重力屈曲 / ZmSAUR2 / IAA抗体 / GC-MS |
Research Abstract |
本研究は、IAAの合成経路を特定するためにトウモロコシ幼葉鞘先端の系を用いてIAAを可視化しIAA合成細胞を特定することを最終目標としている。そのためには、GC-MSを用いたIAA定量、重力屈曲などのIAA量の変化を伴う生理現象における幼葉鞘先端からのIAAの役割を明らかにすることや抗IAA抗体による組織内IAAの検出法の確立を試みていくことが重要である。これまで、幼葉鞘先端でIAAが合成されており、そのIAAは基部方向へ輸送されることが明らかとされてきた。そこで、幼葉鞘先端で合成され基部方向へ輸送されているIAAが重力屈曲における役割を調べた。幼葉鞘に重力刺激を与えると、約60分後に重力屈曲が観察され始める。重力刺激後のIAA偏差分布をGC-MSを用いてIAAを定量したところ、屈曲が観察される前に顕著なIAA偏差分布が確認された。またこの時、幼葉鞘において細胞伸長に関わっているとさるZmSAUR2がIAA分布に伴って発現を変化させていることがわかった。さらに、auxin受容体TIR1/AFBs阻害剤を処理すると、ZmSAUR2の発現が抑制され、同時に重力屈曲も阻害されることがわかった。以上より、トウモロコシ幼葉鞘先端で合成されて基部方向へ輸送されるIAAが偏差分布を形成し、auxin受容体TIR1/AFBを介したIAA誘導性遺伝子の発現調節を経ることで重力屈曲を引き起こされていることが明らかとなった。次にIAA合成細胞の特定であるが、そのためには先に述べたようなIAA量の変化を検出できる技術開発が必要である。極めて高濃度の抗体処理を行うと非特異的なシグナルが観察されることがわかってきた。そこで、低濃度の抗体処理により効果的に検出するために、まず既存の方法にあったIAAの固定方法について再検討を加えた。今後は二次抗体によるシグナル増幅などを検討する予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Biochemical analysis of indole-3-acetaldoxime-dependent auxin biosynthesis in Arabidopsis2009
Author(s)
Sugawara, S., Hishiyama, S., Jikumaru, Y., Hanada, A., Nishimura, T., Koshiba, T., Zhao, Y., Kamiya, Y., Kasahara, H.
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Journal Title
Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 106(13)
Pages: 5430-5435
Peer Reviewed
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