2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J07238
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
尾崎 雄一 National Institute of Genetics, 系統生物研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | 精子形成 / ゼブラフィッシュ / セルトリ細胞 / 生殖細胞 / マイクロアレイ / 精巣 |
Research Abstract |
昨年度、ゼブラフィッシュを用いて精子形成の進行に伴い発現が増加する分泌性因子をマイクロアレイにより検索した結果、エピモルフィンおよびマトリックスメタロプロテアーゼ9が精子形成を制御する候補因子として得られた。本年度は、両因子の性状解析および精子形成における機能解析を試みた。まず、全塩基配列が明らかとなっていないゼブラフィッシュエピモルフィンcDNAのクローニングを行った。その結果、エピモルフィンは309アミノ酸からなり、また、一部塩基配列の欠損により3種類のスプライシングバリアントが存在することも明らかとなった。次に、エピモルフィンおよびマトリックスメタロプロテアーゼ9のリコンビナントタンパクをそれぞれ大腸菌発現系により作製し、家兎に免疫した後、抗血清から各特異抗体を精製した。得られた特異抗体を精巣の免疫組織化学的観察に供した結果、両抗体に対する陽性反応はセルトリ細胞のみに観察され、エピモルフィンおよびマトリックスメタロプロテアーゼ9がセルトリ細胞から分泌されることが明らかとなった。 リコンビナントタンパクを作製し精巣培養系に添加することにより、精子形成に及ぼす両因子の影響を調べるため、まずそのための培養系の確立を試みた。しかしながら、ゼブラフィッシュでは精子形成が始まる以前の精巣は非常に小さく、上述したような培養系を確立することは非常に困難であった。そこで、ウナギ精巣培養系を用いることとした。ウナギでは未熟な精巣を用いた培養系により、精子形成を生体外で再現することが可能であり、さらに、その精巣培養系を用いた分泌性因子の機能解析も報告されている。現在まず、ニュージーランドショートフィンウナギからエピモルフィンおよびマトリックスメタロプロテアーゼ9cDNAをクローニング中である。
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