2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J07238
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
尾崎 雄一 National Institute of Genetics, 系統生物研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | 精子形成 / ゼブラフィッシュ / セルトリ細胞 / 生殖細胞 / マイクロアレイ / 精巣 / ウナギ |
Research Abstract |
これまでに、ゼブラフィッシュを用いて精子形成の進行に伴い発現が増加する分泌性因子をマイクロアレイにより検索した結果、エピモルフィンおよびマトリックスメタロプロテアーゼ9が精子形成を制御する候補因子として得られている。精巣培養系が確立されているウナギを用いることにより両因子の機能解析を行うため、本年度はまず、ニュージーランドショートフィンウナギエピモルフィンおよびマトリックスメタロプロテアーゼ9c DNAのクローニングを引き続き行い、その全塩基配列を決定した。 次にin situハイブリダイゼーションによりウナギ精巣での局在を調べた結果、エピモルフィンおよびマトリックスメタロプロテアーゼ9ともにセルトリ細胞でのみその発現が認められた。さらにヒト絨毛性生殖腺刺激ホルモン投与により成熟を誘導した後、各発達段階の精巣を摘出しin situハイブリダイゼーションに供した結果、精原細胞の増殖が開始された直後の投与後10日目の精巣で最も強いエピモルフィンの発現が認められた。 さらに未成熟精巣器官培養系を用いて、エピモルフィンの発現に及ぼす濾胞刺激ホルモン(FSH)および魚類の雄性ホルモンである11-ケトテストステロン(11KT)の影響を調べた。FSHおよび11KT添加後5日間培養した精巣のエピモルフィン発現量をreal-time PCRにより測定した結果、FSHおよび11KTの添加濃度依存的に発現量が増加した。 以上の結果、精子形成の開始時期にFSHの刺激により精巣で産生された11KTがエピモルフィンのセルトリ細胞での発現を誘導すること、エピモルフィンが精子形成初期を制御する因子の一つであることが示唆された。
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Research Products
(1 results)