2008 Fiscal Year Annual Research Report
現実的なモビリティモデルを考慮したアドホックネットワークの性能評価に関する研究
Project/Area Number |
07J07279
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
前田 久美子 Osaka University, 大学院・情報科学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 無線ネットワーク / Mobile Ad-Hoc Network / ネットワークシミュレーション / エミュレーション / 設計・開発支援 / リアルタイムシミュレーション / 可視化 / 実環境 |
Research Abstract |
Mobile Ad-hoc Network(MANET)上で動作するアプリケーションの設計を考えた場合,開発効率などの観点からシミュレーションの段階で実際のアプリケーションになるべく近いコードを用いた性能評価を行えることが望ましい.そこで,本研究ではノードの行動の現実性を考慮した,実機上の実アプリケーションコードを用いたリアルタイムシミュレーションが可能な無線ネットワークアプリケーション開発環境の提案および設計を行った.提案環境では実機によるエミュレーションとシミュレーションを混在させることにより,シミュレーションのみでは分からない実装固有の問題の検証を比較的大規模なネットワーク環境で行うことが可能となる.昨年度は本開発環境の基本的な機能の設計,および実装を行ったが,本年度は,それら機能の拡張や,本環境を利用したケーススタディによる機能の有用性の評価実験を行った.提案環境ではシミュレーションの進行を実時間に同期させることが必要であるが,本年度はより高精度な時間的正確性が求められるイベントを優先して処理することでシミュレーション進行の実時間との同期精度を向上させる手法を考案し,実際にネットワークに関するイベントを高優先度に,ノードの移動に関するイベントを低優先度に設定することで,一定の効果が得られることを確認した.また,MANET上でVoIPアプリケーションを動作させる実験により,シミュレートされたネットワークという自由度の高い環境下で人間の知覚を利用した評価が可能であることを示し,さらにメッシュネットワークにおける性能評価実験を通して,シミュレート状況をリアルタイムで可視化しその上でノードの移動を手動で操作することによる柔軟で直感的なシナリオ作成機能により,従来環境では再現しにくい状況下での性能評価が行えることを示した.
|
Research Products
(6 results)