2008 Fiscal Year Annual Research Report
厚い裾や強い依存関係による特異性を有するモデルの統計的方法
Project/Area Number |
07J07313
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
松井 宗也 Keio University, 理工学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 確率的ボラティリティモデル / 長期記憶過程 / 安定分布 |
Research Abstract |
本年殿研究計画は「2年目は1年目で考えた特異性を持つモデルの性質や応用、統計的な取扱い方法を考える。特にこれらのモデルは色々な拡張も可能で、現在研究を進めている。また本年度は私の課題に近い専門家が多い海外の研究機関で研究を行うことが決まっている。この機会を生かして私の研究課題に関連する共同研究を行い、交流を深めたいと考えている。」であった。そして、具体的に研究課題としてファイナンス等でよく用いられる、確率的ボラティリティモデルとコピュラを取り上げた。これをふまえ今年度の研究実施状況を述べる。まず最初に、ボラティリティ過程が長期記憶過程に従う連続時間確率的ボラティリティモデル(以下LMSVモデル)について、海外の著名な研究者と共同研究し結果を得た。時間に関しランダムなジャンプを持つポアソンショットノイズ過程を適当にスケーリングして極限を取れば,長期記憶なボラティリティ変動を持つ確率的ボラティリティモデルが得られることが分かった。現在多くの論文で金融商品のリターンに確率的ボラティリティモデルを仮定すると、ボラティリティ過程に長期記憶が観測されるとされている。そのためこのモデルの重要性はこれから高まるものと考えられる。関連してフラクショナルオルンシュタイン・ウーレンベック過程について、他の海外の著名な研究者と論文を発表した。(論文1)連続時間LMSVモデルでは、指数関数の肩にこの過程を乗せたボラティリティ過程がよく用いられ、非常に重要である。ただし2つ目のコピュラを用いて多次元の依存関係をモデル化する研究は時間が無くてできなかった。その代わり多次元安定分布の論文を発表することができた。(論文2)以上である。
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