2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト型モデルマウスの作製に適したマウス人工染色体の構築
Project/Area Number |
07J07322
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
滝口 正人 Tottori University, 医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | モデルマウス / 染色体工学 / 人工染色体ベクター / ダウン症候群モデルマウス |
Research Abstract |
私はモデルマウス作製に遺伝子(群)ベクターとして有用であると考えられるマウス人工染色体(Mouse Artificial Chromosome; MAC)の構築を目指してきた。MAC構築とMACを用いたモデルマウスの作製を目標にこれまで実施してきた研究は以下の通りである。 1、マウス染色体を改変してMACベクターを構築するために、優性遺伝子マーカーを挿入したマウス染色体をマウス正常線維芽細胞からMMCT法を用いて相同組み換え頻度の高いトリB前駆(DT40)細胞に導入した。 2、DT40細胞に導入したマウス染色体に遺伝子(群)クローニングサイトであるloxPサイトとMACベクターの存在をモニターするためのGFP遺伝子を導入した。 3、人工テロメア配列を挿入することで余分な遺伝子領域を削除した。以上の染色体工学を用いたマウス染色体の改変によりMACベクターを構築した。 4、MACベクター単体をマウスES細胞に導入するために、仲介細胞であるCHO細胞にMMCT法によって導入した。 5、ダウン症候群モデルマウスを作製するために、ヒト21番染色体をMACベクターに転座クローニングすることを目的に、ヒト21番染色体を保持しているCHO細胞にMACベクターを導入した。 6、薬物代謝モデルマウスを作製するために、ヒト薬物代謝酵素遺伝子群であるCYP3A遺伝子クラスターをMACベクターに転座クローニングすることを目的に、ヒト7番染色体を保持するCHO細胞にMACベクターを導入した。 初年度の研究計画に対して特に遅延している事項はなく概ね順調であると考えられる。初年度の大きな目標であったMACベクターの構築が、モデルマウスを作製するためのヒト染色体領域を転座クローニングする次年度の研究にとって必須条件である。そのため、MACベクターを構築したことによってスムーズに次の研究段階に移行できると考えられる。
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