2007 Fiscal Year Annual Research Report
台湾に関する近代日本製地図をめぐる歴史地理学的・地図史的研究
Project/Area Number |
07J07351
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
林 春吟 Kyoto University, 大学院・人間・環境学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 日本植民地時代 / 台湾 / 地図 / 地籍図 / 産業図 / 土壌図 / 都市図 |
Research Abstract |
本研究は、近代日本の作成した台湾関係地図を調査し、その作成者・作成年代・方法・範囲・様式・内容といった全体像を明らかにすることを目的とする。また、清朝及び戦後作成された台湾の地図と比較して、台湾における近代地理知識や近代国家の形成とその継承を考察することを通じて、近代日本製台湾の地図の有する意義と役割を解明する。以上の目的のために、本年度は主に以下の研究成果を挙げた。A、台湾歴史博物館が主導する日本植民地時代の地図研究に協力して、台湾歴史博物館や台湾の地図収蔵家が収蔵している地図を中心に調査し、日本植民地時代の地図の現存状況を一層明らかにした。特に産業図・土壌図・地籍図に注目し、それらの地図を収蔵している可能性のある政府機関の調査を加え、現存地図の発掘とそれぞれ地図の解説を執筆した(研究発表〔図書〕)。B、近代国家体制の成立に深い関係を有する徴税のために作られた地籍図を取り上げて検討し、台湾の中央や地方政府の地籍管理機関における実地調査と聞き取り調査を行った。そこで、日本植民地時代台湾の地籍図の現存状況と利用状況を解明した(研究発表〔学会発表1〕)。また、日本植民地時代の地籍図については、従来の研究が主に扱ってきた土地調査事業における平野部の地籍図ではなく、土地調査事業以後の林野調査事業・官有林野整理事業・森林計画事業での地籍図を検討し、広義の地籍図と言える官有林野図・国有林野地も考察することによって、日本植民地時代台湾の地籍図作成の全体像を明らかにすることを試みた(研究発表〔学会発表2〕、2008年3月に『人間・環境学』に投稿済み)。C:都市図に関しては、『日治時代台湾都市発展地図集』について資料紹介を執筆した。
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Research Products
(4 results)