2008 Fiscal Year Annual Research Report
固相窒素吸収法により製造される高窒素チタン合金の組織制御
Project/Area Number |
07J07377
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
安東 知洋 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | チタン合金 / 窒素 / 変形組織 / 引張特性 |
Research Abstract |
チタン合金は鉄鋼材料やアルミニウム合金などの他の構造用材料と比較して比強度や耐食性に優れていることから,民生品から航空・宇宙機器,生体材料,化学プラント,海水環境用材料など様々な分野で使用されている.チタンは合金化することで機械的特性の向上を図ることが可能であるため,様々な組成を有するチタン合金の研究・開発がなされてきた.一方で,金属材料に添加される合金元素の資源の枯渇や価格変動などの問題から,従来使用されていた合金元素を安価な合金元素で代替しようという検討がなされている.このような背景から,資源的な制限が無い上に固溶強化能が高く,材料の比重も変化させないといった利点を有する侵入型元素をチタン合金の合金元素として積極的に利用しようとする試みがなされている.侵入型元素の中でも窒素は,最も強化能に優れているが,それと同時にチタン材料を著しく脆化させる元素でもあるため多量の添加は避けられていた.チタンへの窒素添加に関しては,強度上昇や延性低下といった特性値の変化に関して多数報告がなされているものの,これらの特性変化のメカニズムは十分に調査されていない.そのため,窒素をチタンの合金元素として十分に活用できていない可能性がある.また,上述の内容はほとんどがα型チタン合金に関するものであり,他の主要な合金であるβ型チタン合金,α+β型チタン合金への添加に関してはさらに未解明な部分が多い.そこで本研究では,チタン合金において最も固溶強化能に優れる窒素を強化元素として有効利用するための基礎研究として,アーク溶解法および固相窒素吸収法を用いた高窒素チタン合金の作製手法の確率を試み,さらに,α型チタン合金,β型チタン合金の機械的特性および変形挙動に及ぼす窒素添加の影響について調査を行い,次いでα+β型チタン合金を用いて高窒素チタン合金における組織制御の有効性を検討した.
|
Research Products
(2 results)