Research Abstract |
粒子群最適化(Particle Swarm Optimization : PSO)は,鳥の群れの動きをモデル化した群知能の一種である.概念が単純であり実現が容易な上,収束が早いという特徴を持つことから,近年,異なる分野の様々な応用に用いられている.しかしながら,パラメータに大きく依存することや,多数の局所解を持つような複雑な問題を解く場合においての早すぎる収束などが,PSOの問題点として挙げられている. PSOは複数の解(粒子)群で構成され,各粒子は位置と速度の情報を持っている.PSOは,これらの情報を群内で交換しながら良好な位置を探すが,粒子間に特別な繋がりはない.つまり,各粒子の情報は固体が最も良かった位置と群全体で最も良かった位置に従って更新するが,どちらを重要視するかの重みは毎更新ごとにランダムで決められる.しかしながら,実社会においては,上下関係,信頼関係,親子関係などの様々なネットワークが存在している. そこで,近傍関係を考慮するネットワーク構造型内PSO(NS-PSO)を提案し,四角形,六角形,円筒,トロイダルの4種のトポロジーに適用した.シミュレーション結果より,環状トポロジーは,各粒子の最良位置の情報が群全体に伝わりやすいことから,単峰性関数に適していることを確認した.また,六角形トポロジーには振る舞いの異なる様々な粒子が共存しており,早すぎる収束を防ぐことから,複雑な多峰性関数に効果的であることを確かめた.
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