2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J07413
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
河内 美樹 Nagoya University, 大学院・生命農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 亜鉛 / 金属ストレス / 液胞膜 / 生化学 / 輸送体 |
Research Abstract |
液胞膜亜鉛輸送体AtMTP1の輸送機能と濃度センシング機能の解明 Arahidopsis thalianのmetal tolerance proteinl(AtMTP1,43kDa,膜貫通領域推定6個)は液胞膜に局在し、過剰亜鉛の毒性回避に重要であることが強く示唆されていた。これを受け,酵母に発現させたAtMTP1の機能を詳細に検討した。AtMTP1はH^+との交換輸送によりZn^<2+>を液胞へ輸送しているZn^<2+>/H^+ exchangerであることを明らかにした。さらに、His残基を25個持つHis-rich regionに着目し、その機能を解析したところ、His-richregionを欠く分子は,輸送最大速度が顕著に増大することが明確になった。細胞質側のHis-rich loopは亜鉛輸送に寄与するのではなく,輸送前段階としてのイオン集積機能をもち,かつ細胞質亜鉛濃度センサーとして機能していると推定される。 液胞膜亜鉛輸送体AtMTP1の遺伝子欠損株を用いた亜鉛障害機構の解析 AtMTP1欠損株と野生株との比較により,亜鉛障害の機構、亜鉛恒常性維持におけるAtMTP1の役割を解析した。欠損株では根端で活性酸素種が発生しており、それを除去するための酵素SOD1遺伝子の発現量が増加している事を明らかにした。また、AtMTP1は根全体とくに、根端で強く発見しており、細胞分裂領域である根端の細胞質亜鉛を液胞へ排出することで亜鉛障害を回避する重要な役割を果たしている事が明らかと成った。また欠損株は亜鉛ストレスにより成長が抑制されるが、このプロセスにはエチレンやグルタチオンが関与しており、亜鉛による成長抑制は植物が亜鉛障害を最低限に留めるためのシステムと推定した。
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