2007 Fiscal Year Annual Research Report
炉心プラズマにおける閉じ込め改善の物理機構解明のための粒子注入型電極の開発研究
Project/Area Number |
07J07419
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宇藤 裕康 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 核融合 / 炉心プラズマ / 磁場閉じ込め / Hモード物理 / 高密度プラズマ / 高ベータプラズマ / MHD不安定性 / 電極バイアス |
Research Abstract |
今年度は、粒子注入型電極の高性能化のため電極の電極材料や電極表面の処理方法を再検討した。電極材料の水素吸蔵金属にパラジウムを用いることで水素吸蔵能の向上を図り、更に電極表面を金でコーティングして過剰な水素放出を低減することで、これまで得られていた高密度プラズマ生成回数の倍以上の生成回数を達成した。また、放出電流密度が高い利点を生かして電極サイズの小型化も行い、電極電流の制御性の向上にも成功した。これらの結果は、東北大学ヘリアック装置のような小型の実験装置における、駆動力制御による閉じ込め改善の物理機構解明のためのバイアス実験用ツールの一つとしてだけではなく、大型装置におけるバイアス実験のツールとしての可能性を示唆するものである。 また、大型及び中型装置であるLHD(核融合科学研究所)、Heliotron-J(京都大学)にて、高磁場中での駆動力制御によるバイアス実験のための予備実験を行った。Heliotron-JではLaB_6を電極材料とした電極を設計・製作し、バイアス実験を行うことで、今後の電極バイアス実験のための各装置でのデータベース構築並びに電極バイアスによるプラズマ閉じ込めへの効果について検証した。 東北大学ヘリアック装置(TU-Heliac)においては、粒子注入型電極を用いた際の高密度或いは高ベータ・プラズマをターゲットとして高速トリプルプローブを用いた揺動計測を行い、高密度時、高ベータ時双方において特徴的な周波数の揺動の発生が確認され、プラズマパラメータの径方向分布との関係性を示唆する結果が得られた。また、挿入する電極位置を変化させることによりプラズマパラメータの径方向分布が変化する結果も得られていることから、今後、プラズマパラメータの径方向分布とMHD不安定性に起因する揺動の関係性について、粒子注入型電極を用いることにより詳細に検討しうるものと考えられる。
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Research Products
(3 results)