2007 Fiscal Year Annual Research Report
プレーナー型イオンチャネルバイオセンサーの開発と神経細胞ネットワーク解析への応用
Project/Area Number |
07J07430
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
浅野 豪文 The Graduate University for Advanced Studies, 物理科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | バイオセンサー / イオンチャネル / パッチクランプ / 神経細胞ネットワーク / 細胞間相互作用 / マイクロコンタクトプリンティング / 細胞外マトリックス / 細胞パターニング |
Research Abstract |
生体機能維持にかかすことのできない最重要分子である膜タンパク質(イオンチャネルやGPCR(Gタンパク質共役型受容体))を網羅的に解明するため、小型化・ハイスループット化を可能とするプレ-ナー型イオンチャネルバイオセンサー素子の開発を行った。本素子は既存のピペットパッチクランプ法では困難な装置サイズの微小化や高スループット化、長時間測定を実現することができる。ヒト胎児腎由来HEK293細胞を用いて本素子がセンサー素子として機能することを確認した。また、センサー基板上での細胞培養、イオンチャネル計測といった一連の操作を素子内で実現することに成功し、従来法では困難な細胞シグナルの長時間測定やタイムラプス計測実現の可能性を実証した。 これらの研究成果を得て、神経変性疾患の発症機構解明や治療法開発を目指した神経細胞ネットワーク機能解析への応用を進めている。細胞間の情報伝達を担っている神経細胞末端のシナプス部での神経伝達物質を介した相互作用、伝達機構を本素子のIn vitroの系で解明する。最近、上記の目的を達成するために必須のタンパク質パターニング技術の開発に成功した。これはマイクロコンタクトプリンティングやソフトリソグラフィーと呼ばれるシリコンエラストマーを用いたマイクロ・ナノ構造構築技術を利用して、細胞外マトリックスであるタンパク質を特定の微細パターンに印刷する技術である。タンパク質のパターン化印刷により人為的に細胞の成長領域や軸索伸長方向を制御することができ、測定基板上に神経細胞ネットワークの形成が可能となる。 このように開発したセンサー素子を応用して、単純化されたコンパートメントな系で細胞間の情報伝達を担うシナプス機能を解明することを目指している。
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Research Products
(14 results)