2008 Fiscal Year Annual Research Report
第一原理シミュレーションによる炭素系物質の脱水素化特性の研究
Project/Area Number |
07J07486
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
坂本 晶子 (原田 晶子) National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, ユビキタスエネルギー研究部門, 特別研究員(PD)
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Keywords | 水素 / グラファイト / ナノ構造 / 脱水素化 / シミュレーション / 分子動力学法 / 第一原理 |
Research Abstract |
ナノ構造化グラファイト、カーボンナノチューブ等の炭素系物質は水素貯蔵材料としての可能性が期待され、実験・理論両面から研究が行われている。特に、グラファイトを水素雰囲気中でミリングして得られるナノ構造化グラファイトは、7.4重量%(CH)_<0.95>)という多量の水素吸蔵が可能である。吸蔵された水素は温度700および950K付近で放出され、高温側では炭素と共有結合した水素が、低温側では試料の欠陥構造中に弱く結合した水素が放出されると考えられているが、水素放出のミクロなメカニズムは明らかになっていない。そこで本研究では、炭素系物質の脱水素化特性について第一原理分子動力学法を用いた理論的研究を行ってきた。 昨年度は、温度700K付近での水素放出メカニズムを調べるため、グラフェンのアームチェアエッジに-CH,-CH_2,-CH_3が結合したモデル系に対して第一原理分子動力学法を適用し、結合状態とその温度変化について調べた。 本年度はさらに、これら-CH,-CH_2,-CH_3がグラフェンのアームチェアエッジに複数結合しているモデル系を構築し、第一原理分子動力学シミュレーションを行い、結合した炭化水素分子間の相互作用について調べた。その結果、結合したCH_x間の特に水素原子間の相互作用が炭化水素分子およびエッジ付近の炭素原子の結合状態に大きく影響することを明らかにした。また、昨年度までに得られた結果と合わせて、グラフェンエッジに結合した炭化水素分子の状態についての系統的な理解を得ることができた。
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Research Products
(1 results)