2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J07593
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
筒井 直昭 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 甲殻類 / クルマエビ / 卵黄形成 / ホルモン / 甲殻類血糖上昇ホルモン族ペプチド |
Research Abstract |
本研究課題では、生体調節因子によるクルマエビの卵黄形成制御機構を解明することを目的としている。平成19年度は、血リンパ中に卵黄形成抑制活性が存在することを確認するとともに、活性本体の精製を試みた。活性は逆相系Sep-Pakカートリッジに吸着する性質があることが分かったため、逆相HPLCによって血リンパを分画し、それらの活性測定を行い、活性のあった画分を更に分画するという方法を取った。その結果、2回目のHPLCで得られた画分で活性が分散して確認されたこと、それらの溶出条件がCHH族ペプチドのそれらと類似していること、活性の見られた画分を質量分析に供したところ、幾つかの甲殻類血糖上昇ホルモン族(CHH族)ペプチドに由来すると考えられるイオンピークが観察されたことなどから、血リンパ中の活性はCHH族ペプチドによるものであり、それら以外に卵黄形成抑制活性を示す物質は血リンパ中には存在しない可能性が高いと考えられた。 この結果を受けて、CHH族ペプチドの構造と卵黄形成抑制活性との相関を明らかにする必要があると考えられたため、CHH族ペプチドの1つであるPej-SGP-Iをターゲットとしてその立体構造をX線結晶構造解析によって明らかにすることにした。まず大腸菌を用いた組換えペプチド発現系について検討を行い、最終的に卵黄形成抑制活性を有する組換え体SGP-Iを作製することができた。また、この発現系を用いてセレノメチル化SGP-Iの作製に必須な変異ペプチドを6種類作製するとともに、どのペプチドが構造解析をおこなうのに相応しいかについて検討した。この結果の一部は2008年度日本水産学会春季大会にて報告した。
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Research Products
(1 results)