2007 Fiscal Year Annual Research Report
超短パルスレーザー励起超高速半導体相転移に関する研究
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07J07612
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
井澤 友策 Osaka University, レーザーエネルギー学研究センター, 特別研究員(DC1)
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Keywords | フェムト秒レーザー / シリコン / 時間分解測定 / 結晶化 |
Research Abstract |
21世紀のマルチメディア社会に対応した次世代型TFT液晶ディスプレイの開発において,性能向上ならびに特性のばらつきを抑制することを目指して,高品質な極薄め単結晶Si膜の形成技術が求められている。 今年度において,我々は薄膜形成時の周囲への熱影響を最小化し高い電界効果を持つ超短パルスフェムト秒レーザーによってc-Si上へと堆積させた厚さ8nmのa-Si層の結晶化のレーザー波長依存性及び,その結晶化における融解過程の時間分解計測を行った。 今回用いた波長はTi: Sapphireレーザーの基本波・第2高調波・第3高調波の3種類であるが,断面TEM観察からいずれの波長においてもa-Si層の下部にあるc-Siからエピタキシャル成長によって結晶化が発生することを確認した。結晶化に必要なレーザーエネルギー密度はそれぞれ,100mJ/cm^2,30mJ/cm^2,16mJ/cm^2と短波長を用いた方が低下することを確認した。また従来のナノ秒レーザーを用いた結晶化に必要なエネルギー密度が数100mJ/cm^2であることから,数10分の1の低いエネルギー密度で結晶化を引き起こすことができるとわかった。また,各プロセスに対して2次元の時間分解計測を行ったところ,Siの融解時間はそれぞれ1ns以内で,また,短波長になるほど,その融解深さが減少することが明らかになった。
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