2007 Fiscal Year Annual Research Report
精子と卵子の起源を探る:性染色体ゲノム比較による卵生殖の進化の解明
Project/Area Number |
07J07661
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浜地 貴志 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 進化生物学 / 有性生殖 / 卵生殖 / 比較ゲノム / 緑藻類 / クラミドモナス / ボルボックス |
Research Abstract |
本研究は、高等動物や陸上植物をそれぞれ含む系統群ではほぼ不可能であると考えられる「雌雄二極化の起源」を解明するための唯一のアプローチであるといえる。なぜなら、同型配偶から異型配偶・卵生殖までの進化を段階的に橋渡しする汎系統的な分子レベルの比較研究は、群体性ボルボックス目における優性生殖過程の観察と分子系統解析以外ほとんど存在しない。本研究においてはまず、群体性ボルボックス目緑藻において、クラミドモナスのような一方向的接合突起型同型配偶・単細胞緑藻とボルボックスのような卵生殖・群体性緑藻の中間段階にあると考えられる、両方向的接合突起型同型配偶・群体性緑藻ゴニウムと異型配偶・群体性緑藻プレオドリナの間で性染色体領域配列を決定、クラミドモナスおよびボルボックスの性染色体ゲノム配列データと比較する。このため、計画通り、同型配偶ゴニウムのプラス型とマイナス型、ならびに異型配偶プレオドリナの雌雄、それぞれの株についてBACライブラリを米国Clemson University Genome Instituteに製作を委託した。2007年12月から年度中にかけて、順次このBACライブラリが完成・到着した。これらライブラリ中で性染色体領域を標的とするプローブとしてゴニウムについてはGpLEU1S(Hamaji et al. 2008 Genetics)およびGpMTD1(Hamaji et al. 投稿準備中)、プレオドリナについてはPlestMID(Nozaki et al. 2006Curr. Biol. )を用いて解析が進行中である。現在までに、ゴニウムのマイナス型においてはGpMIDを起点としたショットガン法によって、およそ200kb強の配列が決定された。
|
Research Products
(3 results)