2007 Fiscal Year Annual Research Report
腹腔在住マクロファージにおける貪食機構に関する基礎的研究
Project/Area Number |
07J07672
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮西 正憲 Kyoto University, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | Tim4 / 貪食 / アポトーシス |
Research Abstract |
腹腔在住マクロファージがアポトーシス細胞を貪食する際に、アポトーシス細胞を特異的に認識する分子として、Tim4(T-cell immunoglobulin-and mucin-domain-containing molecule4)を同定した。炎症時に腹腔に遊走してくる滲出性マクロファージと、Tim4の発現レベルをreal time PCRにて比較したところ、Tim4は在住マクロファージにのみ強く発現していた。このことは、起源を異とするマクロファージが、独立した貪食機構を有する可能性を強く示唆している。またマウス各組織よりRNAを調製し、各組織でのTim4の発現を検討したところ、胸腺、脾臓、リンパ節といったリンパ系組織での有意な発現を確認した。さらに胎仔肝臓、脾臓、リンパ節から調製した細胞を、Mac-1陽性および陰性細胞に分画したところ、検討した全ての組織においてMac-1陽性細胞にのみTim4遺伝子が発現していた。これらのことより、Tim4は生体内のリンパ系組織中において、マクロファージによるアポトーシス細胞のクリアランスに関与していると考えられる。ついで生体内でのTim4の機能を明らかにするため、Tim4の阻害抗体をマウスに投与し、実際に貪食が抑制されているかを確認した。デキサメサゾン投与により胸腺内に一過性に大量のアポトーシスを誘導した所、阻害抗体投与群では有意に貪食されるアポトーシス細胞数が減少することを確認した。さらに阻害抗体を投与した群ではコントロール群と比較し、血清中のds-DNA、カルジオリピンに対する自己抗体が顕著に増加する結果が得られた。これらのことは、Tim4を介した貪食機構が生体内に存在し、その機序の破綻が自己免疫疾患等の発症に寄与しうることを示している。
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Research Products
(1 results)